━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JEA メールマガジン 第24号 2007.9.3 発行 URL http://www.jeas.or.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは、(財)日本環境協会です。 当メールマガジンは、毎月1回発行します。ご愛読よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------- 【目次】 ★ 《トピックス》海水温の変化 ☆北極海の氷が観測史上最小に ☆海水温の上昇 ☆生物への影響 ・サンゴの白化 ・赤潮の発生 ・魚の生息域の変化 ☆水産業への影響 ★「平成20年度版環境・循環型社会白書」表紙絵コンクール 募集中! ★バーゼル法等説明会の開催について ★エコツーリズムフォーラムの開催について ★平成19年度エコインストラクター人材育成研修 ★ストップおんだん館夏休みイベント情報! ★イベント案内・情報 ────────────────────────────────―― 《トピックス》 海水温の変化 ────────────────────────────────―― 冷夏を疑われていた今年の夏でしたが、8月中旬からは記録的な暑さとなり、 連日、猛暑と熱射病に関するニュースが盛んに報道されました。 同じ時期、 この猛暑に関するニュースのほかに目についたのが、この夏、北極海の氷が 観測史上最小となったとのニュースでした。北極海では海水温の上昇により、 海氷がIPCCの予測より30年以上も速いペースで解けていると言われます。 また、石垣島のサンゴの危機を伝える報道も大きなニュースとなりました。色 とりどりの美しさを誇る石垣島のサンゴ礁で白化現象が進行しており、その 原因が海水温の上昇であるというものです。海水温の変化は、海中生物に 大きな影響をもたらしているようです。今月は、このような海水温の変化をめ ぐる影響を取り上げてみます。 ◆北極海の氷が観測史上最小に この夏、北極海の氷が1978年の観測開始以来、最小になっていることが独 立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)及び宇宙航空研究開発機構(JAXA) とによる衛星観測の解析でわかりました。 >>>http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070816/index.html 観測チームは、米国の衛星に搭載されているJAXAの電波観測装置(AMSR-E) による観測データから、北極海の海氷面積を計算し、8月15日の面積が、過去 最小だった2005年夏より0.15%少ない530.7平方キロメートルに縮小したことが わかったものです。 >>>http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070816/img2.html 北極海の氷の減少がこのままのペースで進むと、本年の最小面積は大幅に 記録を更新し、IPCC第4次報告書の2040~2050年の予測値に早くも到達する 可能性があると言われます。 >>>http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070816/img3.html 北極海では、ここ数年、海面水温の上昇が進んでおり、今夏は2000年以降で 最も高くなっています。これは、地球温暖化などが原因とみられ、海水面上昇 がIPCC予測を上回るペースで進むことが懸念されます。 ・北極海の氷のモニター画像 衛星による北極海の海氷の最新画像及び過去に観測された画像は、JAXAが 米国アラスカ州立大学北極圏研究センター(JARC)に設置しているJARCーJAXA 情報システム(IJIS)を利用した北極海海氷モニターWebページ上で日々更 新され、公開されています。【IARCーJAXA】 >>>http://www.ijis.iarc.uaf.edu/cgi-bin/seaice-monitor.cgi?lang=j ・8月6日の北極海の氷の状況の写真【JAMSTEC】 >>>http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070816/img1.html ◆ 海水温の上昇 海面水温は、気温の上昇と同様この100年の間、上昇を続けています。気象 庁の発表によれば海面水温の上昇率は日本の地上気温の上昇率と同程度で あるとされています。日本海中部における海面水温の上昇は、2006年までの およそ100年間1.6度も上昇しており、これは、世界全体で平均した海面水温の 上昇率(プラス0.5度/100年)を大きく上回る数値です。 ・海面水温の長期変化傾向(日本近海)【気象庁】 >>> http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/shindan/e_2/maizuru_warm/maizuru_warm.html ・海面水温の長期変化傾向(全球平均)【気象庁】 >>> http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/shindan/a_1/glb_warm/glb_warm.html ◆ 生物への影響 生物は非常に微妙なバランスの上で存在しているため、海水温の上昇による 影響を大きく受けてしまいます。生物への影響として最近の報道の中で取り上 げられたものをピックアップします。 ◇ サンゴの白化 今年の梅雨明け頃から連日水温が30度を超えたことにより、石垣島のサンゴ の白化が進んでいます。水温が30度を超えると、サンゴの体内に生息する褐虫 藻がサンゴから逃げ出し、褐虫藻の色素を失ったサンゴは白化します。 そして、褐虫藻の光合成による栄養が確保できなくない状況が続けば、サンゴ は死んでしまいます。サンゴ礁は、生物の住処となるだけでなく光合成による二 酸化炭素の固定や酸素の生成なの重要な役割を果たしているため、サンゴ礁の 消失は、その海域に深刻な影響を与えます。 ・サンゴ白化レポート【WWF Japan】 >>> http://www.wwf.or.jp/shiraho/topics/2007/sr20070807brcrep.htm ◇ 赤潮の発生 今月中旬ごろから、有明海の全域で赤潮が発生し大量の魚が死滅しています。 今回の赤潮の原因は、台風や大雨による栄養塩の流入増加と海水温度が高か ったことが影響しているそうです。地球温暖化により、台風の大型化や集中豪雨 の増加、海水温の上昇などの影響が叫ばれており、今後はそれによる赤潮の発 生→魚の大量死滅といった、二次的な災害も増えていくかもしれません。 ・有明海広域での赤潮発生のニュース【朝日新聞】 >>>http://www.asahi.com/national/update/0825/SEB200708250001.html ◇ 魚の生息域の変化 海水温の上昇によって、「関西で採れる魚が三陸や北陸の海で豊漁になる」、 「熱帯系の魚を関東の近海で見かける」、「低い水温を好む魚が北上している」・・・ このような魚に関するニュースを多く見かけます。 日本は四方を海に囲まれ、親潮・黒潮等の潮流の他、四季によって変化する 水温で、様々な魚介類の恩恵を受けています。今年の夏も暑い日々が続き、 毎日「暑いなぁ」と口にされたかと思いますが、気温の変化には敏感になれても、 海水温の上昇は「南極・北極の氷が解ける。海面が上昇する」と言われても、 なかなかピンと来ないかもしれません。このような我々にとって身近な魚の生息 域の変化によって、海水温の上昇を実感することが出来ます。 毎日の食卓に上る旬の魚の変化に気を止めてみませんか。 ・北大大学院 桜井教授「地球温暖化と気候変化-わずかな水温変化が 海洋生物資源を変える」 >>> http://www.fish.hokudai.ac.jp//open/2006/gif/060913-01.pdf ・「魚は小さくなって、産卵が減る?」【WWF Japan】 >>> http://www.wwf.or.jp//press/2005/p05111801.htm ◆ 水産業への影響 地球温暖化によって引き起こされると考えられている海流の変化や海水温 の上昇は、海の生物多様性に大きな影響を与える恐れがあります。回遊魚の 北上による漁場の変化のほか、海水の鉛直方向への循環が弱まることにより 深層からの湧昇流が弱まることで、海の食物連鎖の基盤を成す植物プランク トンの分布に重大な変化が起こる可能性が指摘されています。 ・平成19年版 環境・循環型社会白書 第2章第2節【環境省】 >>>http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h19/html/hj07010203.html ・地球温暖化が農林水産業に与える影響の評価及び対策技術の開発 【農業環境技術研究所】 >>>http://www.niaes.affrc.go.jp/project/warminit/index.htm ────────────────────────────────―― 「平成20年度版環境・循環型社会白書」表紙絵コンクール 募集中! ────────────────────────────────―― 環境省では、平成20年版の環境・循環型社会白書白書の表紙を飾る作品を 公募しています。各部門の最優秀作品には環境大臣賞が贈られます。 多くのご応募お待ちしております。 絵のテーマ: 「環境にやさしい社会」 募集部門 : 小中学生の部、一般の部(高校生以上) 作品サイズ: 四つ切画用紙(542mm×382mm)縦長で使用 応募締切 : 平成20年1月31日(当日消印有効) お問い合わせ:財)日本環境協会内 環境白書表紙絵係 >>>募集要項 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8691 ────────────────────────────────―― バーゼル法等説明会の開催について ────────────────────────────────―― 環境省が経済産業省と共同で、全国10都市でバーゼル法等説明会を開催し ます。説明会では、バーゼル条約、バーゼル法及び廃棄物処理法の概要説明 及び輸出入にあたって必要な手続きについて説明されます。参加費は無料です。 9月13日(木) 札幌市 (申込締切9月6日) 9月18日(火) 横浜市 (申込締切9月11日) 10月1日(月) 名古屋市 (申込締切9月21日) 10月16日(火) 広島市 (申込締切10月9日) ※ まだ日程は未定ですが、この後、大阪市、神戸市、福岡市、東京都、 仙台市、高松市で開催が予定されています。 >>>詳しいご案内とお申し込み http://www.env.go.jp/recycle/yugai/basel.html ────────────────────────────────―― エコツーリズムフォーラムの開催について ────────────────────────────────―― 環境省では、エコツーリズム推進法の内容や、エコツーリズムの魅力を紹介す るとともに、エコツーリズムの推進に当たり地域の自然環境や生活文化の保全の あり方などについて議論するためエコツーリズムフォーラムを開催します。 本フォーラムでは、登山講師として活躍されている岩崎 元郎さや、女優の星野 知子さんにご講演いただきます。 テーマ: 「自然と暮らしの文化を守る=エコツーリズムが目指すものと新しい旅の 楽しみ方」 日 時: 9月16日(日)10時30分~16時40分 会 場: 東京ビックサイト 会議等1階 >>>詳しいご案内とお申し込み http://www.try-ecotourism.com/ http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8637 ────────────────────────────────―― 平成19年度エコインストラクター人材育成研修 ────────────────────────────────―― 自然学校のインストラクターやエコツーガイドとなる人材育成のため、約6ヵ月 間にわたる、人材育成研修が開催されます。 この研修は、環境省の請負業務として、(社)日本環境教育フォーラムが実施 するものです。応募締め切りは平成19年9月7日です。 >>>詳しいご案内とお申し込み http://www.jeef.or.jp/ecoins/index.html ────────────────────────────────―― ストップおんだん館夏休みイベント情報! ────────────────────────────────―― ストップおんだん館では、夏休みのイベントをもりだくさんに企画しています。 ぜひご参加ください! ●ストップおんだん館 教える人向け講座 「子ども向けプログラムの作り方~ワクワクする工作・実験プログラム~」 9月14日(金) 10:00~16:00 >>> http://www.jccca.org/ondankan/event/20070914.html ●くるくる・つく~る 9月15日(土)14:00~15:00 マイバッグ 9月29日(土)14:00~15:00 かさぶくろ 10月6日(土)14:00~15:00 はしぶくろ 10月20日(土)14:00~15:00 ふろしき >>> http://www.jccca.org/ondankan/event/saturday_september.html ────────────────────────────────―― イベント案内・情報 ────────────────────────────────―― ◆・・ (財)日本環境協会 関連行事、情報 ◇・・ (財)日本環境協会 後援・協賛行事、情報 ◆9月14日 ストップおんだん館 教える人向け講座 「子ども向けプログラムの作り方~ワクワクする工作・実験プログラム~」 主催:ストップおんだん館 会場:ストップおんだん館(東京都港区) http://www.jccca.org/ondankan/event/20070914.html ◆9月15日・29日・10月6日・20日 ストップおんだん館週末プログラム くるくる・つく~る 主催:ストップおんだん館 会場:ストップおんだん館(東京都港区) http://www.jccca.org/ondankan/event/saturday_august.html ◇9月5日~7日「第48回大気環境学会年会」 主催:(社)大気環境学会 会場:岡山理科大学25号館(岡山市) http://jsae2007.adthree.com/ ◇9月12日~14日「2007地球環境保護 土壌・地下水浄化技術展」 主催:(社)土壌環境センター/(社)日本産業機械工業会/ 日本産業洗浄協議会/フジサンケイ ビジネスアイ 会場:東京ビックサイト(東京都江東区) http://www.cnt-inc.co.jp/SGR-TEX/ ◇10月17日~19日「エコ・テクノ2007」 主催:エコ・テクノ運営事務局 会場:西日本総合展示場新館(北九州市小倉区) http://www.eco-t.net/ ◇10月17日~18日「第51回全国環境衛生大会」 主催:(財)日本環境衛生センター 会場:札幌コンベンションセンター(北海道札幌市) http://www.jesc.or.jp/work/taikai/index.html ────────────────────────────────―― 編集後記 ────────────────────────────────―― 8月25日から、墨田区の省エネナビモニターになりました。昨年の月ごとの電気 使用量を目安に目標値を設定し、うっかり電気を使いすぎるとモニター機の警告 ランプが知らせてくれます。もともとの電気使用量が少なかったため、目標値が 非常にキツク設定されてしまい、この猛暑の中厳しい戦いを強いられています。 エアコン、扇風機はもってのほかで、テレビをつけただけでもすぐ目標オーバー。 早くも負け戦の色彩が濃くなってまいりました。 (中川) 編┃集┃発┃行┃ 財団法人日本環境協会 中川・三室 ━┛━┛━┛━┛ 〒106-0041 東京都港区麻布台1-11-9 ダヴィンチ神谷町2F URL:http://www.jeas.or.jp/