━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JEA メールマガジン 第30号 2008.3.3 発行 URL http://www.jeas.or.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは、(財)日本環境協会です。 当メールマガジンは、毎月1回発行します。ご愛読よろしくお願いします。 -------------------------------------------------------------------- 【目次】 ★ 《トピックス》 食品リサイクル ☆ 食品リサイクル法 ☆ 食品リサイクル法のしくみ ☆ 再生利用等 ☆ 再生利用を促進するために ☆ 食品リサイクルの現状 ☆ 食料の自給率 ★古紙・印刷インキ問題等に係るエコマーク事務局の対応状況について ★こどもエコクラブ全国フェスティバルin北九州開催 ★(財)日本環境協会 助成金情報 ★省エネ家電ファクトシートを改訂しました ★イベント案内・情報 ────────────────────────────────―― 《トピックス》 食品リサイクル ────────────────────────────────―― このところ、食の安全について考えさせられる事件が続いています。安全を 求める一方で、日本の食糧自給率は農林水産省の平成17年度統計資料に よると、カロリーベースで39%と、主要先進国の中で極めて低い水準になって います。食料の多くを、他国に頼っていながら、私たちは日々の生活の中で 多くの食糧を無駄にし、捨ててしまっています。安全面などから、いたしかたな い廃棄もあるでしょうが、貴重な食料は出来る限り有効に利用したいものです。 今回は、食品のリサイクルを取り上げます。 ◆食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する 法律 平成12年6月7日公布) 食品リサイクル法は、食品の売れ残りや食べ残し、食品製造中に大量に発生 する食品廃棄物の発生抑制と減量化および、食品関連事業者における食品循 環資源の再生利用等の促進を目的にした法律です。その後、平成19年に法改 正が行われています。 同法では、食品循環資源の再生利用、熱回収、食品廃棄物等の発生の抑制 と減量を総合的かつ計画的に推進するために、「食品循環資源の再生利用等 の促進に関する基本方針」を定めるものとしています。 また、食品リサイクル法では、[1]事業者及び消費者、[2]国、[3]地方自治体 に対して、それぞれに次のような責務が明記されています。 [1]事業者及び消費者の責務(第4条) 食品廃棄物等の発生の抑制と食品循環資源の再生利用の促進 [2]国の責務(第5条) 食品循環資源の再生利用等を促進に必要な資金の確保その他の措置 食品循環資源に関する情報の収集、整理及び活用 食品循環資源の再生利用等の促進に関する研究開発の推進、成果の普及 食品循環資源の再生利用等の促進に関する教育活動および広報活動 [3]地方自治体の責務(第6条) 区域の経済的社会的諸条件に応じた食品循環資源の再生利用等を促進 >>>関係法令(環境省) http://www.env.go.jp/recycle/food/03_law.html >>>法の概要(農林水産省) http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/recycle/law/01/data1.pdf ◆ 食品リサイクル法のしくみ 主務大臣が、食品関連事業者(食品製造者、食品小売業、食品卸売業、 外食産業)ごとに、再生利用等の実施率目標と、発生抑制目標(基準実施 率)を定めます。食品関連事業者は、その基準実施率を上回る努力を求め られます。なお、この基準実施率は、毎年アップします。 特に、食品廃棄物等を年間100t以上発生させる食品関連事業者は、目標 達成に向けた取り組みの状況を、毎年度、主務大臣に定期報告する義務が あります。主務大臣が必要と認めるときは、食品関連事業者に対して指導、 助言が行われます。取り組みが不十分な場合には、勧告、企業名等の公表、 命令を経て、さらに命令に違反した場合は、罰金が科せられます。 >>>食品関連事業者が取り組む食品循環資源の再生利用等の目標値 http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/recycle/law/02/data3.pdf >>>食品リサイクル法のしくみ(農林水産省) http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/recycle/law/01/data2.pdf ◆再生利用等 食品関連事業者が実施すべき取り組みとして「再生利用等」という用語が使用 されています。優先順位の順に並べると、再生利用等には[1]発生抑制、[2]再生 利用、[3]熱回収、[4]減量があります。 [1]発生抑制 食品廃棄物の発生を未然に抑制することです。最優先すべき取組と位置づけ られ、「再生利用等」のうち、発生抑制だけに限定した目標が業種ごとに設定 されています。 [2]再生利用 食品廃棄物を、新たな製品の原材料として再生利用することです。再生利用 製 品として「肥料」、「飼料」、「油脂及び油脂製品」、「メタン」が定められてい ましたが、 平成19年に「炭化燃料・環元剤」、「エタノール」が追加されていま す。これら6つの再生利用製品のうちでは、「飼料」が最優先に位置づけられ ています。 [3]熱回収 食品破棄物を、熱を得るために利用することです。ただし、「飼料化」など優先 されるべき取組などを抑制することがないよう、半径75km圏内に、食品廃棄 物等の受け入れ可能な再生利用施設がないことなどが求められます。 [4]減量 食品廃棄物を、脱水、乾燥、発酵、炭化するなどして減量し、廃棄処分を容易 にすることです。 ◆再生利用を促進するために 食品関連事業者などによる再生利用を促進するために、[1]再生利用事業者の 登録制度と、[2]再生利用事業計画の認定制度が設けられています。 [1]再生利用事業者の登録制度(第11条) 食品関連事業者の委託を受けて再生利用事業を行う能力のあるリサイクル業 者を育成するため、法の要件に該当する事業者を主務大臣の名において登録 する制度 です。19年11月現在で117事業者が登録され、公開されています。 >>>登録再生利用事業者一覧表(農林水産省) http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/recycle/law/04/data1.pdf [2]再生利用事業計画の認定制度(第19条) 食品関連事業者が、特定のリサイクル業者や農業者などと連携して計画的な 食品循環資源の再生利用に取り組む計画を、主務大臣が認定することで、計 画 的な再生利用の実施を推進します。 これらの制度を利用した広域的な再生利用の促進のため、廃棄物処理法等の 特例措置が設けられています。 >>>食品リサイクル法における廃棄物処理法等の特例措置 http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/recycle/law/01/data3.pdf ◆食品リサイクルの現状 平成13年度から平成17年度の食品産業の食品廃棄物の年間発生量の推移を 見ると、1,092万トンから1,136万トンへの若干増加しています。一方、再生利用等 の実施率の推移をみると、平成17年度から18年度の間に、37%から53%へと増 加しており、食品リサイクルの進展が見られます。その内訳は平成18年度で、肥 料化48%、飼料化45%、油脂化6%、メタン化1%となっています。 ただ、業種別の取組には格差があり、食品製造業、食品卸売業の再生利用実 施率は、平成18年度で81%、62%と高いものの、「川下」に位置する食品小売業、 外食産業では、35%、22%と低迷している状況にあります。 >>>食品リサイクルの現状(環境省) http://www.env.go.jp/recycle/food/02_current.html >>>食品循環資源の再生利用率等の実施率の推移 http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/recycle/law/01/data4.pdf このような状況から、平成19年に、特に川下の食品関連事業者(小売・外食)の 取組を促進するため、食品リサイクル法の改正が行われ、食品関連事業者への 指導監督の強化と再生利用等の取組の円滑化措置が講じられました。 >>>食品リサイクル法の一部改正法の概要 http://www.env.go.jp/recycle/food/01_about/h19_kaisei/kaisei-gaiyo.pdf ◆食料の自給率 家庭から出されるゴミは年間で約3,350万t(平成17年度データ)で、このうちの約 1/3が食品ゴミです。冒頭にも書いたとおり、日本の食料自給率は、39%です。 消費者の立場からも、家庭においては「買いすぎない」「作りすぎない」、そして 外食においては「注文しすぎない」配慮が大切だと思います。無駄を減らして、 自分たちの食べ物を他国に頼りすぎない努力が消費者には求められています。 農林水産省のホームページでは、食料自給率について考えるための様々なコン テンツが紹介されています。 >>>食糧自給率の部屋(農林水産省) http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/index.html ────────────────────────────────―― 古紙・印刷インキ問題等に係るエコマーク事務局の対応状況について ────────────────────────────────―― 古紙パルプ配合率の偽装問題に対し、エコマーク事務局では、現在、製紙会 社の工場に対する現地監査・サンプリング分析を行い、エコマーク認定用紙の 基準への適合を確認しているところです。現地調査については概ね終了し、現 在サンプル検査に入っているところです。 調査が完了し、適正使用が確認されたものから順次ホームページにて公表し てまいります。2月22日に、その第一次分として適正が確認された2用紙製品を 公表しました。 また、一部の印刷インキにおいて、エコマークおよびソイシールの不正使用が 明らかになったことから、エコマーク事務局では、2月6日より印刷インキの認定 を受ける23社、129商品に対して実態調査の報告を求めました。調査により、8 事業者と19製品において不正使用が明らかとなったため、不正使用のあった製 品に対しては、出荷停止と是正措置を講ずるようエコマーク使用契約に基づく指 導を行いました。 >>>詳細については、こちらをご覧ください。 http://www.ecomark.jp/pdf/info08-0222saikai-list_1.pdf >>>エコマーク事務局ホームぺージ WHAT’S NEW http://www.ecomark.jp/ ────────────────────────────────―― こどもエコクラブ全国フェスティバルin北九州開催 ────────────────────────────────―― 3月29日(土)・30日(日)の2日間、福岡県北九州市で、「こどもエコクラブ全国 フェスティバルin北九州」を開催します。 こどもエコクラブ全国フェスティバルは、こどもエコクラブメンバーの1年間の活 動の発表や、全国で活動しているクラブ同士の交流を行うイベントです。 多くの方のご参加をお待ちしています。 >>>詳細については、こちらをご覧ください。 http://www.env.go.jp/kids/ecoclub/member/festival/fes_h19.html ────────────────────────────────―― (財)日本環境協会 助成金情報 ────────────────────────────────―― (財)日本環境協会では、平成20年度の「藤本倫子環境保全活動助成基金」の 助成先を、現在募集しています。 たくさんのご応募をお待ちしております。 ■藤本倫子環境保全活動助成基金■ 事業規模の小さな団体および環境カウンセラー(個人)が実施する、自然 観察、リサイクル、環境修復などの実践活動および、環境講座の開催、教 育教材の作成などの普及啓発活動、環境情報の収集・提供などの調査活 動に対して助成します。 募集期間: ・第1期 2008年3月3日~2008年4月15日 ・第2期 2008年6月2日~2008年7月15日 助成金額: 上限30万円 応募資格: ・一般市民により構成されている営利を目的としない団体 ・地域において環境保全活動を行う環境カウンセラー 助成期間: ・第1期 2008年4月1日~2009年3月31日 ・第2期 2008年8月1日~2009年3月31日 >>>募集要項など、詳細についてはこちらをご覧ください http://www.jeas.or.jp/activ/prom_01_00.html ────────────────────────────────―― 省エネ家電ファクトシートを改訂しました ────────────────────────────────―― 全国地球温暖化防止活動推進センターでは、省エネルギータイプの家電の 選択の方法や家電のちょっとした使い方の工夫ポイントをまとめた、「省エ ネルギー家電ファクトシート」の改定を行いました。 ファクトシートの内容は、ずべてホームページからダウンロードしていただけ ますのぜ、ぜひご活用ください。 なお、送料をご負担いただければ、冊子としてお配りしています。ご希望の 方は、「パンフレット・発行申込書」に必要事項をご記入の上、FAXにて事務 局までお申し込みください。(FAX番号:03-5114-1285) >>>ダウンロードはこちらから http://www.jccca.org/content/view/1315/821/ >>>パンフレット・発行物申込書書式 http://www.jccca.org/ondankan/pamphlet/request.html ────────────────────────────────―― イベント案内・情報 ────────────────────────────────―― ◆・・ (財)日本環境協会 関連行事、情報 ◇・・ (財)日本環境協会 後援・協賛行事、情報 ◆3月8日「世界おんだんか紀行♪ 沖縄のサンゴ編」 主催:ストップおんだん館 会場:ストップおんだん館(東京都港区) http://www.jccca.org/ondankan/event/20080308.html ◆3月29日・30日「こどもエコクラブ全国フェスティバルin北九州」 主催:こどもエコクラブ全国フェスティバルin北九州実行委員会 会場:西日本総合展示場(福岡県北九州市) http://www.env.go.jp/kids/ecoclub/member/festival/fes_h19.html ◇3月2日「2008年学校自慢エコ大賞授賞式」 主催:学校自慢エコ大賞実行委員会 会場:産経プラザ(東京都千代田区) http://www.sankeikids.com/eco.php ────────────────────────────────―― 編集後記 ────────────────────────────────―― 先々週末は、東京で春一番が吹き全国的に強風の日でしたね。春の訪れを 告げる風ではありますが、各地で交通が大きく乱れ、私も見事に巻き込まれて 大変な思いをしてしまいました。 これから三寒四温の時期なので、体調管理には気をつけたいと思います。 (三室) 編┃集┃発┃行┃ 財団法人日本環境協会 中川・三室 ━┛━┛━┛━┛ 〒106-0041 東京都港区麻布台1-11-9 ダヴィンチ神谷町2F URL:http://www.jeas.or.jp/